「経営リスク削減のためにも、定着率向上のためにも労務リスクを削減したいが、何から手をつければいいかわからない」、「働き方改革関連法、その他労働法の改正に対応できているか不安」という経営者・人事労務担当者の方はまずは「労務監査」で現状を可視化することを推奨いたします。
【クリニック40名】無断欠勤の対策と自然退職への対応
課題(労務状況・相談時の状況)
あるクリニック(従業員数40人)では、従業員が無断欠勤を続け、どのように対応すべきか困っていました。無断欠勤の対応は労務管理において非常に難しい課題であり、適切な対応を怠るとトラブルを招く可能性があります。
社労士事務所からのご提案内容
1. すべての方法(電話、メール、LINE、fax、自宅訪問)で連絡を試みること。
2. 連絡を取る結果を記録し、1日で終わらせず数日間繰り返すこと。
これにより、従業員とのコミュニケーションの痕跡を残しつつ、無断欠勤の状況を正確に把握することを目的としています。
解決後の結果
対応を実行したものの、無断欠勤の従業員とは連絡が取れないまま数日が経過しました。そのため、就業規則に基づき、30日後に自然退職となる旨を郵便で通知し、30日経過後に自然退職として処理しました。結果として、連絡はその後も来ることはありませんでした。
クリニック全体の労務管理には以下のような影響がありました。
引継ぎが行えなかったものの、事業主がうかつに「解雇する」と連絡することを避け、不当解雇のリスクを回避できました。
本件のポイント
今回の事例で特に重要だった点は以下の通りです。
①事前の就業規則の整備
音信不通になった場合の対応を就業規則に定めていたことが、スムーズな対応に繋がりました。
②専門家のアドバイス
専門家である社労士に相談したことで、解雇案件に発展せずに済みました。
③迅速なレスポンス
突発的な対応に困ることなく、社労士からの迅速な回答を得たことで焦らずに進めることができました。
まとめ
クリニックでの無断欠勤対応は、事前の準備と専門家のサポートが重要です。就業規則を整備し、適切な対応策を講じることで、労務トラブルを未然に防ぐことができます。今回の事例は、労務管理における重要な教訓を提供してくれました。社労士事務所のサポートを活用することで、同様の問題に対する対応力を強化することができます。