「経営リスク削減のためにも、定着率向上のためにも労務リスクを削減したいが、何から手をつければいいかわからない」、「働き方改革関連法、その他労働法の改正に対応できているか不安」という経営者・人事労務担当者の方はまずは「労務監査」で現状を可視化することを推奨いたします。
【飲食店:40名】外国人労働者の雇用における注意点と対応事例:資格確認と手続きの重要性
現状と労務課題
従業員40名のある飲食業の事業所では、外国人労働者を雇用したいと考えていましたが、その際の注意点や必要な手続きについてよくわからない状況でした。外国人労働者の雇用には特有の手続きや法的リスクが伴うため、当事務所にご相談いただきました。
当事務所からのご提案内容
以下の重要な対応策を提案しました:
1. 在留カードによる資格確認:外国人労働者を雇う際には、必ず在留カードの原本を確認し、その在留資格が飲食店で働くことを許可されているかを確認することが必要です。偽造の可能性もあるため、コピーではなく原本を確認し、資格の有無や在留期間をしっかりとチェックするようにアドバイスしました。
2. 雇用が可能かの判断基準:飲食業での就労が認められていない在留資格の場合、雇用はできないことを明確に説明しました。また、不法就労となると企業側に大きなリスクが生じるため、安易に雇用を決定することは避けるべきと伝えました。
3. 日本語能力に応じた契約書の整備:日本語が読めない場合には、外国人労働者向けの雇用契約書や関連書類の整備が必要になること、さらにデジタル賃金支払いなどの課題についても、今後対応を考えるようアドバイスしました。
解決後の結果
アドバイスに基づき、事業所は在留カードの原本を確認し、外国人労働者が問題なく雇用できる資格を持っていることを確認しました。その後、社会保険や雇用保険など必要な手続きを進め、正式に採用することができました。
幸いにも、この外国人労働者は日本語の読み書きができたため、雇用契約書も通常通りのものを使用できました。外国人労働者の雇用に関する手続きがスムーズに進み、事業所としても安心して業務を開始することができました。
本件のポイント
今回の事例で特に重要だった点は以下の通りです:
外国人労働者の雇用に特有の手続き:外国人の雇用には、日本人とは異なる確認事項や手続きが必要であることを理解しました。特に在留資格の確認は重要です。
不法就労のリスクを回避する:外国人労働者を雇用する際に、在留資格を正確に確認しないと、不法就労を許してしまうリスクがあり、企業側に法的責任が生じる可能性があることを認識しました。
日本語対応の課題:日本語が読めない外国人労働者を雇う場合、契約書や業務指示書を多言語で整備する必要性や、デジタル賃金支払いなど、新たな課題に対応する準備も必要だと学びました。
まとめ
今回の事例では、社労士の助言を得ることで、外国人労働者の雇用に際して適切な手続きを踏むことができました。在留資格の確認を通じて、法的リスクを避け、スムーズな雇用手続きが実現しました。また、外国人労働者に対する日本語対応の整備など、今後の課題も明確になりました。外国人労働者を雇う際は、専門家のアドバイスを受け、慎重かつ適切な対応を進めることが重要です。