「経営リスク削減のためにも、定着率向上のためにも労務リスクを削減したいが、何から手をつければいいかわからない」、「働き方改革関連法、その他労働法の改正に対応できているか不安」という経営者・人事労務担当者の方はまずは「労務監査」で現状を可視化することを推奨いたします。
【医科診療所30名】看護学校費用の補助とその間の勤務
課題(労務状況・相談時の状況)
看護助手で勤務していた従業員が看護師資格取得を目指し2年間勤務しながら看護学校に通わせて欲しいと相談してきました。事業主としては、お金は出してあげたいけれど、卒業後に2年間勤務してくれなかったら全額返金してほしい。これは可能なのだろうか?と質問があった。
ご提案の内容
・就業規則の作成
・学費の貸与に関する規程と同意書の整備
・相談顧問
解決後の結果
金銭リスクが生じないための対策を行いました。利厚生とリスクヘッジ両方を同時に行うことで労使双方の安心につながり、結果として定着につながりました。
本件のポイント
看護学校に通学するための費用補助は、医療事務の専門学校の費用補助と異なり、かかる時間も金額も相当大きな負担となってきます。学校通学中は他の仕事もできないため、従業員は生活費にも困ります。常時人手不足である看護師を確実に確保するための施策として看護学校の費用や給与を診療所が負担することでその後一定期間の看護師の採用が見込めるため、福利厚生としても非常に良い施策と言えます。ただし、途中退職した場合は「返金により退職が可能」という制度にしなければ強制労働に該当してしまいますので、注意が必要です。