「経営リスク削減のためにも、定着率向上のためにも労務リスクを削減したいが、何から手をつければいいかわからない」、「働き方改革関連法、その他労働法の改正に対応できているか不安」という経営者・人事労務担当者の方はまずは「労務監査」で現状を可視化することを推奨いたします。
診療所における求人改善事例:労働条件の見直しで応募者が5倍に増加
現状と労務の課題
ある診療所(従業員数5人)では、求人を出しても応募が全く集まらず、人材確保に苦労していました。そこで、現状を改善し、応募者が増える状況を作り出すため、当事務所にご相談いただきました。
当事務所からのご提案内容
まず以下の対応策を提案しました。
1. 周辺求人の分析:近隣の診療所や同業種の求人内容を調査し、自院の求人条件と比較しました。
2. 求人内容の見直し:自院の求人が応募者にとって魅力的かどうかを確認し、労働条件の改善が必要な点を洗い出すことを提案しました。
この分析の結果、診療所の求人には以下の問題点があることが分かりました:
・基本給が低い。
・固定残業代が含まれているため、残業が多いように見える。
・終業時間が18時を過ぎており、所定労働時間が長い。
・年間休日が100日未満と少ない。
・社会保険に加入していない。
・求人掲載内容が簡素で魅力に欠けている。
これらの問題点を確認したうえで、改善可能な点から優先的に改善を行うことにしました。
解決後の結果
特に効果的だったのは、年間休日を100日未満から120日程度に引き上げたことでした。これにより、求人への応募者が5倍に増加するという大きな変化が見られました。また、応募者だけでなく、すでに働いている従業員からも労働環境の改善に対して高い評価があり、結果として従業員の定着率向上にも寄与しました。
本件のポイント
今回の事例で特に重要だった点は以下の通りです:
求人の分析:周辺の求人内容と比較し、自院の労働条件の問題点を客観的に把握することが重要でした。
労働条件の改善:年間休日の引き上げなど、改善できる点から着手することで応募者の増加につなげました。
社労士への相談:社労士に相談することで、客観的な視点からアドバイスを受け、的確な労務管理の改善を進めることができました。
まとめ
診療所における求人の改善は、労働条件を見直すことで大きな効果を生みました。問題点を明確にし、解決策を講じたことで、応募者が増加し、働きやすい環境の整備にもつながりました。客観的な視点で求人内容を分析し、労働条件を改善することが、人材確保において重要であることが明らかになった事例です。