「経営リスク削減のためにも、定着率向上のためにも労務リスクを削減したいが、何から手をつければいいかわからない」、「働き方改革関連法、その他労働法の改正に対応できているか不安」という経営者・人事労務担当者の方はまずは「労務監査」で現状を可視化することを推奨いたします。
職員が新型コロナウイルス感染症に関連して子供が学校にいけない! そのために仕事を休まなければならない場合はどうする?
職員が新型コロナウイルス感染症に感染した場合
職員が新型コロナウイルス感染症に感染した場合、会社の対応は?~Part3~にて休業手当についてご説明を致しました。
お客様からのご質問で多いのが、「コロナで休業手当を払った時の助成金はないか?」というもので、こちらに関しては雇用調整助成金があります。
それと共に、2月に入ってからお問い合わせが増えたのが「子供の学校が休校になって家にいるので、仕事に来られない職員がいる。休ませるのに何か国からの支援はないか?」というものです。
こちらのケースでは、小学校休業等支援助成金があります。
今回は、小学校休業等支援助成金についてご説明いたしましょう。
小学校休業等支援助成金における支給要件とは?
小学校休業等支援助成金における支給要件は、次の全ての要件に該当する事業主が対象となります。
①雇用する労働者の申出により、令和3年8月1日から令和4年3月31日までの間に、以下のいずれかに該当する有給休暇 を取得させたこと。
ア 新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等※に通う子どもの世話を保護者として行うための有給休暇
イ 新型コロナウイルス感染症に感染した又は風邪症状など感染したおそれのある、小学校等に通う子どもの世話を保護者として行うための有給休暇
② ①の有給休暇は、労働基準法第39条に定める年次有給休暇とは別の休暇(特別休暇)であること。
③ ①の有給休暇は、年次有給休暇の場合と同等の賃金が支払われるものであること。 (助成金の日額上限(※)を超える場合であっても、全額を支払う必要があります。)
④ ①の有給休暇を取得した労働者が、申請日時点において1日以上は勤務したことのある労働者であること。
支給額は?
支給は、以下の通りとなります。
小学校休業等支援助成金の支援の対象となるのは?
以下の(1)~(4)のいずれにも該当する方が対象となります。
(1)保護者であること
(2)①又は②の子どもの世話を行うこと
(3)小学校等の臨時休業等の前に、以下の業務委託契約等を締結していること
(4)小学校等の臨時休業等により、子どもの世話を行うために、業務委託契約等に基づき予定されていた日時に仕事ができなくなったこと
ここで言う「小学校等」とは以下の通りとなり、幼稚園や保育園および放課後児童クラブ等広義の意味となります。
・ 小学校、義務教育学校の前期課程、各種学校 (幼稚園又は小学校の課程に類する課程 を置くものに限る。)、特別支援学校(全ての部)
★障害のある子どもについては、中学校、義務教育学校の後期課程、高等学校、各 種学校(高等学校までの課程に類する課程)等も含む。
・ 放課後児童クラブ、放課後等デイサービス
・ 幼稚園、保育所、認定こども園、認可外保育施設、家庭的保育事業等、子どもの一時的な預かり等を行う事業、障害児の通所支援を行う施設等
学校が休業になってはいないが、子供が濃厚接触者の場合は?
新型コロナウイルスに感染した子どもだけではなく、小学校等を休む必要がある子どもという表現をしています。具体的には以下の通りとなります。
参考:新型コロナウイルス感染症による 小学校休業等対応助成金について(厚生労働省)
判断に迷うのが、イ) 新型コロナウィルスに感染したおそれのある子ども(発熱などの風邪症状、濃厚接触者)となります。カッコ内「発熱などの風邪症状、濃厚接触者」も含まれますので、従業員から休みの相談をいただいた際は年次有給休暇を取得する以外にも、特別休暇を与えて助成金を申請するという選択肢もあることを認識していただくと幅広い判断が出来るでしょう。
また、対象となる保護者とは、以下の通りとなります。
・親権者、未成年後見人、その他の者(里親、祖父母など)であって、
子どもを現に監護する者
・各事業主が有給休暇の対象とする場合は、子どもの世話を一時的に
補助する親族も含む
雇用調整助成金とどちらがいい?
会社都合で休ませて休業手当を支給した場合に、要件が該当すれば申請出来るのが雇用調整助成金です。小学校休業等支援情助成金同様新型コロナウイルスに関して、事業主が負担する費用に対する助成金となります。
(参考URL)雇用調整助成金(新型コロナ特例)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
ただし雇用調整助成金に関しては売り上げの減少、規模要件および休業協定書等要件が多いため、小学校休業等支援助成金よりハードルが高くなります。該当者や日数が少ない場合は、小学校休業等支援助成金での該当の可能性が高いでしょう。状況に合わせ、柔軟にかつ有効に助成金を活用していくことをお勧めいたします。
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