社会保険労務士法人アミック人事サポート|栃木県宇都宮市で人事労務に特化した社労士

企業型確定拠出年金とiDeCoの違いとは?併用か移換か?移換のメリットも徹底解説

2024.10.31 コラム

栃木県・埼玉県を中心に、全国の企業の労務管理を支える社会保険労務士法人アミック人事サポートです。

企業型確定拠出年金(企業型DC401kとも呼ばれます)と個人型確定拠出年金(iDeCo)は、いずれも確定拠出型の年金制度として、資産運用を通じて将来の受取額を形成します。

両者は税制優遇や将来の資産形成において共通のメリットがある一方で、掛金の負担者や管理手数料、社会保険料への影響などの面で違いがあります。

この記事では、企業型DCiDeCoの特徴や併用と移換の選択肢について解説し、企業にとって最適な選択を見つけられるようサポートします。

詳細な制度は、厚生労働省 確定拠出年金制度のページでご確認いただけます。

企業型DCの仕組みやメリットについてはこちらのコラムでも解説していますのでご覧ください。
・企業型確定拠出年金のメリットとは?中小企業が導入すべき理由を社労士が解説

 

企業型DCとiDeCoの基本的な違い

企業型DCiDeCoはどちらも確定拠出型の年金制度ですが、掛金の負担者や管理の手間に違いがあります。

掛金の拠出者と上限額の違い

企業型DCでは企業が掛金を拠出し、福利厚生として従業員のために実施します。

一方、iDeCoは個人が掛金を拠出し、自らの判断で積み立てを行います。

企業型DCの掛金上限は最大5.5万円(他の企業年金制度がない場合)で、iDeCoは厚生年金加入者で月額2.3万円までとなります。

これにより、企業型DCの方が資産形成の積立額を増やしやすいという利点があります。

 

<企業型DC・iDeCoの掛金面の比較>

税制優遇の違いと社会保険料負担等の違い

企業型DCは企業負担分が法人税の控除対象となり、掛金は給与所得ではないため所得税、住民税だけでなく社会保険料がかからない点が特徴です。

一方、iDeCoは、掛金が全額所得控除の対象です。

企業型DCiDeCoも運用益は非課税で、受け取り時にも「公的年金等控除」や「退職所得控除」が適用されます。

企業型DCは手数料が企業負担に対し、iDeCoは手数料が個人負担となる点も違いとなっています。

運用商品の選択肢と管理の手間

企業型DCの運用商品は、企業が契約した金融機関のラインナップから選ぶため、選択肢がやや限られますが、管理がしやすい点が利点です。

一方、iDeCoは加入者が金融機関を自由に選び、資産運用の目的に応じて多様な商品が選べるため、リスク分散が図れますが、選択肢が多いため手間がかかります。

 

企業型DCとiDeCoの併用のメリットとデメリット

企業型DCiDeCoを併用することで、掛金の積立額を増やしたり、リスク分散を図ることが可能ですが、併用にはメリットもデメリットもあるため、慎重な検討が必要です。

併用のメリット

併用により、企業型DCiDeCoの掛金上限を合算することで年間の積立額を増やし、より効果的に資産形成ができます。

特に老後資産を充実させたい従業員にとって、掛金を増やせる点は大きなメリットです。

また、iDeCoは金融機関や商品を自由に選べるため、企業型DCで選べない特定の商品に投資することが可能であり、資産配分の多様化が図れます。

併用時のデメリットと注意点

併用のデメリットとして、手数料負担と管理の手間が挙げられます。

特にiDeCoは自己負担で管理手数料が発生するため、長期的に見ると費用がかさむ可能性があります。

また、企業型DCが「マッチング拠出」を導入している場合、iDeCoとの併用ができないため、併用の可否については事前に勤務先の企業に確認が必要です。

 

iDeCoから企業型DCに移換する選択肢とそのメリット

iDeCoから企業型DCに資産を移換することで、管理が簡便になり、iDeCoの管理手数料が不要になるなどのメリットがあります。

移換を検討することで、長期的な運用コストの削減が期待できます。

一元管理による利便性の向上

企業型DCに資産を移換することで、iDeCoと分けて管理する手間が省け、資産が一つの口座に集約されるため、管理が容易になります。

また、複数の口座で運用状況を確認する必要がなくなり、運用状況の把握がしやすくなります。

手数料削減によるコストメリット

iDeCoから企業型DCに移換すると、iDeCoにかかる管理手数料が不要になり、企業型DCでは一般的に企業が手数料を負担するため、従業員にとってコスト面での負担が軽減されます。

長期的な資産形成を進める際、無駄な費用を抑え、効率的な運用を行いたい場合には、企業型DCへの移換が有力な選択肢です。

 

iDeCoから企業型DCに移換する際の手続きと弊社のサポート内容

iDeCoから企業型DCへ移換するには、事前に必要書類の準備と移換手続きの流れを理解しておくことが大切です。

スムーズな移換ができるよう、計画的な準備をおすすめします。

移換手続きの流れと必要書類

iDeCoから企業型DCに移換する際は、まずiDeCo口座を管理する金融機関に連絡し、必要な申請書類や手続きの確認を行います。

さらに、移換には移換手続き用の申請書や企業型DCの加入手続きも必要です。

iDeCoの手続きが完了してから企業型DCに資産が移換されるため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることがスムーズに進めるポイントです。

弊社のサポート内容

弊社では、iDeCoから企業型DCへの移換手続きに関するサポートを提供し、移換時に必要な書類準備や手続きをわかりやすくご案内します。

移換の流れや注意点をしっかりとサポートいたしますので、安心してご相談ください。

 

まとめ – 最適な年金制度の選択で資産形成をサポート

企業型DCiDeCoは、いずれも税制優遇を受けながら将来の資産形成を支援する年金制度です。

企業型DCは社会保険料がかからず、手数料も企業が負担するため、負担が軽減されやすく、また、iDeCoからの移換による一元管理で効率的な運用が可能です。

対して、iDeCoは運用の自由度が高く、個人のニーズに合わせた資産配分を行いたい方に適しています。

企業のニーズや従業員の資産形成の目標に応じて、最適な選択を行うことが大切です。

企業型DCの導入や導入後のサポートについて、ぜひ弊社までご相談ください。

アミック人事サポートに相談してみる

 

企業型DCiDeCoに関する詳細は厚生労働省 確定拠出年金制度国民年金基金連合会 iDeCo公式サイトもご参照ください。

 

よくある質問(FAQ)

Q1: 企業型DCiDeCoは併用できますか?

A: 企業型DCにマッチング拠出がなければ併用可能です。

ただし、併用時にはiDeCoの管理手数料も発生するため、その点は考慮が必要です。

Q2: iDeCoから企業型DCへ移換するとどんなメリットがありますか?

A: 移換することで、iDeCoの管理手数料が不要となり、企業型DCでの一元管理が可能になります。

手数料の削減や管理の簡便化が大きな利点です。

Q3: 企業型DCの掛金上限はどのように決まりますか?

A: 他の企業年金制度がない場合は月額5.5万円(年間66万円)が上限です。

他の企業年金と併用している場合は上限が異なるため、企業の年金制度状況によって変わります。

 

 
執筆者情報
社会保険労務士法人アミック人事サポート さいたま社労士事務所 所長/社会保険労務士/AFP 小宮山達也
専門分野人事労務
一言金融機関で勤務した後に社労士業界へ転職。金融機関時代は社外セミナーの講師を延べ300回以上務め、人前で話すスキルを向上させるとともに、3,000人規模の労働組合の中央執行委員を経験しながら、労務トラブルの解決方法を学んだ。 最新法案をクライアントに伝え、常に先手を取った対応ができるような支援を得意とし、就業規則の改定を通じた企業改善を中心にコンサルティングによるサポートを行っている。金融機関時代の知識と経験を活かした企業型DCの導入支援にも定評がある。近年では生成AIを用いた業務改善に力を注いでいる。
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