「経営リスク削減のためにも、定着率向上のためにも労務リスクを削減したいが、何から手をつければいいかわからない」、「働き方改革関連法、その他労働法の改正に対応できているか不安」という経営者・人事労務担当者の方はまずは「労務監査」で現状を可視化することを推奨いたします。
労働契約を明示していますか?
労働契約とは?
働くときの最低基準としてのルールを決めたのが、労働基準法です。労働基準法第1条では、以下のように定められています。
第1条
- 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
- この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。
会社や個人事業主が一人でも従業員を雇用すれは、労働基準法に規定する「使用者」となります。
また、「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいいます。(労働基準法第9条)
そして労働契約は労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれについて賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立します。
労働契約と就業規則の関係
労働契約と就業規則は、法第7条において以下の通り定められています。表を見ながら説明していきましょう。
(参考)労働基準法のあらまし(厚生労働省)
個別の同意により労働条件が決定されていれば、労働者の労働条件とされます。
労働契約(書)において労働条件を定めていなかった場合は、就業規則が労働者の労働条件となります。
ただし、その就業規則が合理的な労働条件が定められ、かつ、労働者に周知させていた場合になります。また、就業規則で定める基準に達しない労働契約は、その部分において無効となります。
労働契約は口頭で伝えればよいのか?
労働契約は労働契約を締結する時に労働者へ明示しなければなりません。
またその明示する事項には、絶対的明示事項と相対的明示事項があり、絶対的明示事項に関しては必ず書面にて交付することが必要となります。
ただし労働者が希望した場合は、FAXやWebメールサービス等の方法で明示することが出来ます。(書面として出力できるものに限られる。)
(参考)労働基準法の基礎知識(厚生労働省)
また、パートや有期雇用労働者は、以下の労働条件の明示も必要となります。
① 昇給の有無
➁ 退職手当の有無
➂ 賞与の有無
④ 相談窓口
労働契約は労働条件通知書として労働者に交付する、労働契約書として2部作成して使用者および労働者それぞれで保管する等の方法があります。
まずは正確な労働契約を明示し双方で合意し、トラブルにならないように対応することが求められるでしょう。
社会保険労務士法人アミック人事サポートは、栃木・宇都宮を中心に東京、埼玉、千葉などの企業様に人事労務に関するご支援をしています。本コラムをご覧になり、人事労務に関する相談をご希望の場合はお問い合わせからご連絡ください。