「経営リスク削減のためにも、定着率向上のためにも労務リスクを削減したいが、何から手をつければいいかわからない」、「働き方改革関連法、その他労働法の改正に対応できているか不安」という経営者・人事労務担当者の方はまずは「労務監査」で現状を可視化することを推奨いたします。
人事評価を作ろう!
人事評価とは?
「人事考課・人事評価との違いは?」とご質問をお受けすることがあるのですが、特に違いはなく多くの会社では、人事考課と人事評価を区別せずに使用しています。
広辞苑(岩波書店)によると「従業員個々の能力や勤務成績を判定すること。給与査定や人事決定の資料となる。」(人事考課)と表記されています。
日本の中堅・大企業には人事考課制度が定着しており、厚生労働省2002年雇用管理調査によると従業員数300人以上1000人未満の企業では導入率89.1%なっています。
「人事評価って、中小企業には関係ないよね?」という声をお聞きすることがありますが、実は中小企業だからこそより必要性が高まっているのです。
なぜ人事評価が必要なのか?
まず図1を見てみましょう。
図1:仕事に対する意欲が低くなった理由(上位 10項目・複数回答)
厚生労働省「働く人の意識と就業行動」による統計によると、仕事に対する意欲が低くなった理由に「評価の納得性がないから」「昇進に対する展望が乏しいから」「仕事の責任が重すぎるから」等が上位に位置することから、明確な指標がないために意欲が低下していることが伺えます。
また、慢性的な人手不足と採用難の今、既存の職員を定着させることはより重要性を帯びています。定着させるための1つの施策として、人事評価が必要となってくるのです。
ハーズバーグの二要因理論(動機付け・衛生理論)
アメリカの臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグが提唱した、職務満足および職務不満足を引き起こす要因に関するハーズバーグの二要因理論(動機付け・衛生理論)と言うものがあります。(※図2)
図2
人間の仕事における満足度は、ある特定の要因が満たされると満足度が上がり、不足すると満足度が下がるということではなくて、「満足」に関わる要因(動機付け要因)と「不満足」に関わる要因(衛生要因)は別のものであるとする考え方です。
「あると満足」につながる「動機づけ要因」を整えることで職員を定着させることが可能となってきます。
日本では戦後長らく年功序列・終身雇用が一般的となっており会社を辞める、転職するということは少数派でした。
しかし現在では賃金の上昇はあまり期待できない、転職は当たり前、という時代となっているため、いかに既存の職員の満足度を高めるか?が重要であることは理解できるでしょう。
満足度を高めるために必要なのが、「仕事の成長機会」があり「達成感」を得られ、それを周囲が「承認」し「責任のある仕事」を任せられ「昇進」していく土壌。そのために有用なのが、人事評価なのです。
分かりやすく表現すると「やりがいのある仕事が出来る」ということになりますね?頑張っても頑張らなくても賃金が同じで勤務年数により自動的に昇給昇格する、は職員のやる気をそぐ大きな要因となっています。
人事評価制度で構築するもの
さてそれでは、人事評価では具体的にどういったことを行うのでしょうか?
大きく2つに分けることが出来、1つは職員の能力・勤務成績を判断すること、もう1つはその評価を賃金に連動させることとなります。能力・勤務成績を判断するためには、明確な指標が必要となりなす。
職員側としても、現在の自分はどのレベルにあるのか?今後自分に必要なスキルは?目指すべき方向は?今のレベルを達成したら次に必要なスキルや責任は?…と、現状の問題点やキャリアップの道筋が明確になりモチベーションアップにも繋がります。
その上で賃金に反映されれば頑張った職員は正当に評価され、現状維持を望む職員も無理せずオーバーヒートすることもなくなります。
人事評価という言葉の響きから、「評価される」という上下の関係のみイメージしがちです。
評価基準を明確にすることは、従業員の満足度を上げ定着率を高めるためにも有用な施策です。評価や昇給の判断基準にお悩みの場合は、是非セミナーを受講されて疑問を解決してください!
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